企画
企画は規格を決めていく作業。
どのようなロボットを創るのか。
外装・内部機構・動き・動作プログラムなど、ロボット製作における基盤を作り込んでいくことです。
発注者のイメージをより具体化していき、まずは外装のイラストを描いていきます。
次に、設定・演出から、よりリアル感のある動き・動作プログラムを決めていきます。
最初に行うのは、アニマトロニクス製作時の動き(ファンクション)を確認していきます。
ファンクションとは、例えばあるテーマパークにて、海賊たちは牢屋に入れられ、鍵をくわえている番犬を呼び寄せようとしているところをイメージすれば、番犬は、頭部上下・頭部左右・耳の動き・しっぽの振りなどが必要となります。
それに答える複数の海賊はそれぞれに、口笛を吹く・手招きをするなど、番犬の関心を誘おうとする動作が必要になります。
さらに、設置する環境に応じて仕様を確認していきます。
常設用ロボットであれば、耐久性を追求し、メンテナンス・パーツ交換により、半永久的に動き続ける仕様とします。
期間限定の展示会・撮影用のロボット製作時は、お客様のご要望に特化した仕様で製作をします。
例えば、来場者によりアピールするような動作構造にしたり、撮影用ではズームの際にもリアリティが伝わるよう、視聴者に感動を与えるような仕様に仕上げます。
造形
ヒューマノイド・動物型アニマトロニクスなど、様々なロボットにおいて造形は見ている方の視覚に一番印象を与える部分となっており、よりリアリティを追求し丁寧に創り上げることを信念としています。
まずは、粘土原型で皮膚感や毛穴をリアルに表現するため、細部まで手作業にて粘土彫刻し製作しています。
メカに連結する皮膚の動きや柔らかさを実現するため、可動範囲のシリコンが裂けにくいようパワーネット補強など耐久性も合わせて、高める工夫をしております。
心掛けとしては、良い物を作るのは当然ですが、生きていると感じるような生命感を出すよう努力しております。
使用してるシリコンにも拘っており、アメリカの Smooth社の物を使用しております。これは、強度もあり伸縮性のある、最もメカに相性のいいシリコンであり、リアリティと耐久性を兼ね備えています。
機械
機械については、常設用や撮影用など、様々なシーンに応じて製作を行います。
お客様に長く楽しんでいただくためには、まずは壊れないことが重要です。
材質にもこだわり、錆びたり劣化しないステンレスやアルミ・チタンなど、設置する環境や必要な強度に応じて選定していきます。
ロボットの動きについては、場面に応じて一番適したアクチュエーターを選定し、製作していきます。
主に常設用のロボットなどは、耐久性が必要となるため、エアーシリンダーや油圧シリンダーを使用し、長い期間、多くの来場者の期待にお答えできるよう、設置していきます。
すばやい動きや細かな動きを求められる撮影用やイベント等に使用するロボットについては、サーボモーターを使用し、豊かな表情やリアルな動きを表現しています。
リアルな動きを表現するためには、関節の位置がとても重要となります。
どこを支点に動作するのかなど、細かく調整します。
人間型であれば、人体の骨格図をもとに忠実に再現し、動物型であれば、逆関節等の特殊な動きも細かく再現し、よりリアリティを追求しております。
制御
弊社はこれまで、アミューズメント施設等の多岐にわたりロボットやキャラクターの動作プログラム制御に携わってきました。
制御へのこだわりとして、メロディやBGMを彩るハーモニィのように、音と光、動きが調和して初めて、素晴らしい演出空間が生まれ、観ている観客の方を魅了できると考えております。
動作はリアリティを求め、アナログ的な滑らかな動きになるよう、アクチュエーターをサーボカードを用いて制御していきます。
エアーシリンダーの駆動では、ポテンショメーターを取り付け、その動作位置を検出し、サーボバルブでシリンダーを動かした際の位置をフィードバックするなど、よりリアリティのある動きを目指して調整します。
このように、シリンダーの動作範囲、入力信号に対する反応、サーボバルブの動きなどを調整し、ロボット全体の動きが調和するよう最適化します。
また、制御システムは、コストパフォーマンスの高いMIDIを用いて、ロボットの動きをプログラミングしていきます。
アミューズメント施設や展示施設など、お客様のニーズや様々なシーンに合わせて、調和性のある高い演出力を創出します。